「ん、軽いもんだけど。」
少しして
そう言いながら
何品か料理持ってきて
それを机の上に並べる部長。
「…え…もしかしてこれ手作りですか?」
「あぁそうだ。それがどうした。」
「部長、料理まで出来るんですか…!?」
持って来られた料理を見ながら
私は部長にそう言う。
部長は 1人暮らしだからな、とただそれだけ言って
また台所の方へ戻っていく。
(この人の欠点ってどこにあるんだよ…。)
と思いながら
私は彼の後ろ姿を見つめる。
「お前、今日ビールだけな。
また潰れたらどうしようもねェ。」
今日は俺が思いっきり飲む。
そう言って冷蔵庫からビールを取り出して
自分にはワインを持って
リビングへ戻ってくる。
いいなぁワイン…と思いながら
自業自得か、と納得して
部長からビールを受け取る。
(…あ…っていうか…。)
「部長!お酒私に買わせるんじゃなかったんですか!」
「あー…そうだっけか。」
なんて
部長は今思い出したように
適当にとぼけながら
そのままグビグビとワインを飲む。
「お前も飲め。
少しは酔わねぇと 後で俺の相手しんどくなるぞ。」
私が何か発する前に
部長が私にそう言う。
(確かに、そうだな…。)
部長の言葉に納得して
私も渋々ビールの蓋を開ける。
そして一口飲んでから
ふぅーーー…っと一息つく。
「ん、勝手に食っていいからな。」
「あ、はい。ありがとうございます…。」
私に箸を渡して
部長は適当に料理をつまんでいく。
私も箸を受け取って
料理をいただく。
(----------っ?!)
「美味しい!!」
一口料理を食べて
私は大きな声でそう発した。
-------あ。
私は直後にハッとして 部長を見る。
部長は
私の突然の言動に驚いたのか
目をパチパチとさせて私を見て
それから少ししてすぐに
ははは…!と声をあげて笑い始めた。
「そうかよ。なら良かった。」
---------ドキッ
(………あれ…?)
そう言って
普段はキメて絶対に見せない
無邪気な笑顔を見せる部長。
酔いが少し回ってるのか
ちょっとだけトロンとしてきた目や
何と無く漂う 彼の"色気"に
私は不意にも ドキッとした。

