---そして仕事が終わって

彼の車で
いつも通り会社を出る。







「なんで急に外食?」

「叔父さんが、お前に会いたがってる。」







叔父さん…?



…あぁ!あの有名なレストランの!







(結婚式で会ったばかりなのに
また会いたがってるなんて…。)






変なの、と思いながら
ふーん?と答えると



運転している律樹が

ふと私の方を向く。







「…それに…。」

「ん?」







そう言葉を続けてくる律樹に

私が 何?と彼の方を向けば




こっちを見ていた彼と目が合って、
ふいっと何故か顔を逸らされる。



…え、何その態度。








「何?どうしたの?」

「…いや、だから……。」









少々歯切れの悪そうな顔で
言葉を詰まらせる律樹に

私は余計に眉間にシワを寄せる。






(言いたいことがあるなら、言えばいいのに…。)







何なのよ、と私が思っていれば




律樹が少し頬を赤らめながら

照れ臭そうに頭を軽く掻く。







「…っ、最近忙しくて2人で外行けてねぇから
どっか行きたいと…思ったんだよ。」






(………え…。)







思いもよらず素直な律樹に

私が目を丸くして彼を見ると




「だぁー!こっち見んな!!」

と恥ずかしそうに顔を隠す律樹。








「…っ、あはは!」




(律樹って…照れ屋なくせに
割と素直だよね。)







私はそう思いながら
顔の赤い隣の彼を見て

クスクス笑った。