-------ドキッ







私は

何だかいつもと違う雰囲気の律樹に



思わず心臓を鳴らす。










「…律樹…?」

「…なぁサユリ。」










私が名前を呼ぶと

律樹も私に話しかけるように
名前を呼んだ。





私が ん?と優しく聞き返せば



律樹は
さらに腕の力を込めて、


ギュッと抱きしめてくる。











「…今日も言ったけど、
俺 本当に半年くらいずっと片想いしてて」

「…うん。」










律樹がそう言って話し始める。



声色はいつもより
さっきよりずっと…真剣で。











「頑張って関わり持つように行動してんのに、お前は全然意識してくんなくて」

「はは、…うん。」

「ちゃっかり沢田にも狙われてて」










(---------え。)







やっぱりあれって
マユコちゃんに言われた通り、

そうだったの?





と私は今更ながら自覚する。






律樹はそれに気づいてたんだ…。










「忘年会で隣の席座ってキタと思ったら
課長に付きっきりだし。」

「…そ、それは仕方ないじゃん…。」

「…まーそうだけどよ。」









と少々拗ねている律樹。




何だかその様子が可愛くて

クスッと笑いながら
回されている律樹の腕に

そっと手を重ねる。










「おまけに酔ったお前を
沢田が持ち帰ろうとするし…。」

「っ、え?!うそ?!」









そんなの初耳なんだけど!!


と私が驚いていれば

後ろから
「お前が無防備だからだろうが。」と
軽く頬をつねられる。



うぅ、何かすいません…。










「まぁでも…。」

「?」

「その日持ち帰ることになったのは
結果的に俺だけど。」









と、

ニヤっと笑う律樹が
得意げに私の顔を覗き込んできて


なぁー?とニヤニヤ尋ねてくる。






うぅ…それはもうやめて…!



と私が顔を赤くしながら
恥ずかしがっていると




律樹はクスクス笑いながら

珍しく甘えるように
頬をすり寄せてきて、話を続ける。