「律樹くん、タイちゃんの親友なんだってー?
しかも会社の上司なんでしょう?」
タイちゃん、というのは
おーちゃんのこと。
お母さんは昔からおーちゃんを
タイちゃんと呼んでいる。
(おーちゃん そのことまで言ってんのかよ…。)
「はい。
サユリさんとタイガが知り合いなのは
後から知りました。」
すごい偶然よねぇ〜!
とお母さんと律樹が話す。
そういえば最初は
おーちゃんのこと勘違いしてたんだもんねぇ〜。
(…ふふ、あの時の律樹
すごい嫉妬してたなぁ…。)
と私は思い出しながら
小さく笑みを浮かべる。
「じゃあ出会いは会社なの?」
「そうですね。
同じ部署だったのがきっかけで。」
2人は話を続けている。
その間に
お兄ちゃんとお父さんはビールを飲んで
いくつかのおかずを摘まんで食べていた。
「律樹、私の部署の部長なの。」
「部長?!
…え、今おいくつ?」
「この前、26になりました。」
「に、26ぅ?!」
俺とそんな歳変わんねぇじゃん!!
と、
彼の歳を聞いて
お兄ちゃんが驚きながらも反応する。
「サユリ…どうやってこんなすごいイケメン捕まえたのよ!!?脅したの?!」
「ンッ---?!お、脅すかぁ!!」
私もおかずを一口食べている時に
お母さんが私にそう聞いてきて
思わず吹き出しかける。
脅すって…
あんた自分の娘に何言ってんの!?
「何言ってんのよまったく…。」
「はは…僕が迫って、やっと付き合ったんです。」
ちょっと!律樹!
と私が律樹の方を見れば
「本当のことだろ。」
と悪びれる様子もなく、平然とそう告げる。
「…おいサユリ、これ夢だから。
真に受けんなよ。」
「お兄ちゃん黙って。」
照れる暇もなく
お兄ちゃんの言葉に雰囲気台無し。
お兄ちゃんこそ現実受け止めてよ!
「…彼女とは、本当に
結婚を考えてます。」
「「「………へ。」」」
律樹の言葉に
家族全員が固まる。
…もちろん、私も。

