そんな俺の様子を見て

少し驚いてから
クスッと笑うサユリ。





「もう、何言ってんの。
ほら起きて、寝るならベッド行こう。」

「ん…いや、まだ。」







-----グイッ







「っ、え……?!」






ギュッ…






俺を起こそうと
手を伸ばしてきたサユリの腕を

逆にこっちが引っ張る。




するとサユリは
俺の方に倒れこむように体勢を崩して

そのまま

俺の腕の中に収まる。







(…何だ、この安心…。)







サユリの体温を感じて

こんなにも安心するなんて…。







眠い意識の中で
そんなことを思っていると


混乱しているサユリが

少々顔を赤くしながら






「り、律樹…?どうしたの…?」






と、恥ずかしいのか
視線を逸らしながら尋ねてくる。


…可愛い。







(やべぇ…俺 結構酔ってるな…。)






タイガと飲んできた酒が

風呂で血行を良くしたためか
急速に回り始めている気がした。








「…好きだ、サユリ。
…本当に…愛してる…。」








俺は抱きしめているサユリの
耳元に顔を近づけて

肩に顔を乗せながら
そう告げる。





…愛おしいよ、本当に。







「…私も好きだよ。愛してる。」

「ん…知ってる。」

「うん。大好き。」






サユリのその言葉を聞いて

今日のモヤモヤが
消えていくのを感じる。





どんなに不安を感じても

こいつの言葉一つで、全部消える。






(はっ…マジで大した女だよ、お前は。)







俺はそんなサユリに
溺れている自分を自覚して

心の中で自分を笑う。






…でもいい。




…それでいい、別に。








(こいつがいれば…何でもいい。)







そう俺が思ってんだから。