そう思いながら

頬を緩ませて、夕飯の支度をする。




とりあえず食材用意して
少しだけ進めておこう。




そう思って冷蔵庫を開けた時



タイミング良く
携帯の着信音が鳴る。








「…あ。」







表示には
『おーちゃん』の文字。


こんなタイミングでどうしたのかな…


と不思議に思いながら
電話を取れば







「あ、サユリ?!
なぁ、お前今どこいんの?!」

「え?どこって…家だけど。」

「ってことは暇だな?!
お前ちょっと外出てきて!」






と、何か焦った様子で
私を呼び出すおーちゃん。




(? 何でそんな声荒いの?)





私は不思議に思いながら
おーちゃんに言葉を返す。







「何でよ。これからお風呂入ってご飯食べるつもりだったんだけど?」

「そんなん後で!!
…帰ってきてるんだよ、あいつが!」

「……え?」







あいつ…?








「黛陸也(まゆずみ りくや)が帰ってきてんだよ!」









(----------え?)








私はそのおーちゃんの声に

目を見開いた。






陸也…くんが…?







(帰って…きてるの?)








私はその場に
静かに立ちすくんだ。