その"指令"は突然だった。






(………。)







俺はその指令が書かれた
メールを見て、眉間にシワを寄せる。






2人で
いつも通り会社に出社し

今日こそ平和な1日が始まると思った矢先に、コレだ。







(ったく、社内新聞なんで無ければ…!)







と、目の前に表示されているメールを見ながら、そんなことを思う。






メールの差出人は 父親から。


それもなんと…









『差出人:神崎雅司
社内の後輩と熱愛、だそうだな。
近々、家族と会わせるように。』









だなんて。







(だぁぁぁ!!何でこうなんだよ!)







会社は違えど

この会社と父の勤める会社は仲が良く
繋がりが多いため

どっかの課長さんらへんが
これを広めたとしか思えない。







…親父が知ってるってことは
家族全員に広まってるんだな。







そう感じながら
俺はさらに深くため息を吐く。







(まだ付き合って2日しか経ってねぇんだぞ?それで親に会わせる、だ?)







-----重すぎる。






そう頭に言葉がズンと出てきて

俺はさらに頭を抱える。







…しかし早く連れて行かないと
俺の家族がここに直々に来るかもしれない。


その可能性も否めない事実に
俺はまたため息を吐く。







(……仕方ない、言うだけ言ってみるか。)







と、意を決して
俺はサユリに話すことにした。