『でね!』





教室はやけに騒がしくて、窓際の席に人だかりが出来ているのが確認できた。







『ありゃー、もう人気者だよ。』







『あれが、立花くんと楠木くん?』





『そ!女子はほっておかないよね。』








『…そんなもんなのか。』







私は黒板に書いてある自分の席を確認して、席についた。


窓際の後ろ側。
意外といい席かも。




うちの学校は名前順じゃないから、そっちの席の方がドキドキするんだよね。







『おはよう。よろしくね。』







いつの間にかHRの時間が来ていたのか、女の子たちも席に座り話し出している。





私は挨拶してくれた人に返そうと前を向いた。






『…楠木、くん。』






『ん?俺のこと知ってるの?』







『…知らない。けど、私の友達は知ってるみたい。おはよう。』






楠木くんはそれを聞いて、ははっ、と笑った。