思えば「彼」はいつも私を見ていた気がする。 いや、気がするではなく「見ている」の方が正しいか。 「彼」とは同じクラスになったことがなかったが噂や評判は聞いていた。 クラスのムードメーカー的存在、2組の女の子に告白された、1組の女の子と付き合ってる、○月○日補導された、友達とバンドを組んでる、などなど。 「彼」は明るくいつも笑顔でいる、という認識しかない。 それほど私にとってどうでもよく、関係のない存在だった。 なのに。 消しゴムの一件以来、私はいつも「彼」を見ている。