「 山石先輩! 」

「 はいはーい。今 行きますよー? 」

サッカー部のキャプテン、山石くんが

なにやら、後輩からお呼びだし。

「 待てよ。俺も行くっ 」

いつもと変わらない高井。

さすがに気まずくて 話しはしてないけど

昨日のことなんて、なかったよう。

「 あぁ?あの子、バスケ部の後輩だ〜 」

亜紀がつぶやく。

「 へー、そうなの?亜紀の後輩なんだ 」

「 うん。明目 玲来 (あかめ れいら) 。
明るくて、しっかり者。
いい子だよ 」

うーん……。

あの子の目当ては、

高井じゃなくて山石くんだし。

だいじょうぶ……だよね。

だけど、やっぱりモヤモヤするのは

ヤキモチ……… というか。

「 山石先輩…チョコです。
食べてみてもらえますか? 」

「 え、マジ?よっしゃ。サンキュー 」

そっか。

あの子も、精一杯に恋してんだ。

自分の恋に、一直線に……。

「 いいなぁー。俺にも ちょうだい? 」

っ‼︎ 高井!

「 あ、はい。高井先輩もどうぞ 」

「 どーもー 」

ああ!

チョコを……‼︎

「 高井先輩、私も余ってるんで どうぞ 」

「 あっ、私も余ってます 」

……。

出入り口で、キャッキャ キャッキャと……。

「 わー。全部 義理かよ。
やっぱ、山石くんとは 格が違うか。 ね?朋莉 」

「 いいもん。どーせ…… 」

「 あー、また始まった 」

どーせ、






ちゃんと渡すから

いいんだもんっ。