「 あっ、あたし、やっぱりいいよ! 」

しまった。

声 ふるえてる。

「 はっ⁉︎ 何でだよ‼︎
さっきまで 喜んでただろ⁇ 」

なんで そんな風に聞いてくるの?

ほっといてよ……。

「 なんでだよ⁉︎ 答えろよ! 」

「 えっと…… そっ、そうだ!
用事! 用事、思い出したんだ。
早く帰らなきゃっ 」

「 意味わかんねーよ!
なんで言い訳なんかするんだよ‼︎ 」

なんで って?

理由なんて、聞かないでよ。

もう、やめてよ。

「 …… ってか、どうして高井が怒ってんの?あはは…変なの〜…… 」

上手く……笑えない…。

「 どうして って、お前がバカなこと 言うからだろ⁉︎ 」

「 余計 わかんないよ……バカなのは高井でしょ⁉︎ 」

泣きそう。

やだ。

こんなの やだ。

…… 泣くところ 見られるなんて やだ。

「 っは⁉︎ お前、なんか おかしーーー 」

「 バカっっっっ‼︎‼︎‼︎‼︎ 」

バカ

バカ

バカ

バカバカ

「 好きな人いるくせに、ただの友達なんか 家に誘わないでよ‼︎ 少しは あたしの気持ちも考えてっ‼︎ 」

ー バンッ ー

教室を出て、音を立ててドアを閉める。

「 ちょっ! 待てよ、立本‼︎ 」

待てないよ……。

好きな人に、

泣いてるところなんて 見られたくないんだよ………?