「 やっぱさ、バレンタインには
本命チョコあげなきゃでしょ!
バレンタインのチョコで、友達から
恋仲にっ 」

「 ちょっ! なっ、なに勝手なこと
言ってんの⁉︎
ムリだよ‼︎ 絶対 ないって‼︎ 」

「 何? なんでムリなわけ? 」

いきなり、亜紀が口をとがらせて

怒り始めた。

「 だって、高井はあたしのこと
友達 って思ってるし。
あたしなんかから、ほしくない
だろうし…… 」

「 あのねぇ。告る前から そんなこと
言ってたって何も始まんないでしょ!
やってみなきゃ わかんないじゃん 」

うぅっ。 めずらしく正論…。

「 そうだけど…… 」

「 それにね、たぶん 高井は朋莉のこと
好きだよ‼︎
もう、ぞっこん! 」

満面の笑みで語り始めた。

「 だってね、毎朝 朋莉にぶつかったり
嬉しそうに話しかけたりーーー 」

「 ないって‼︎‼︎‼︎ 」

亜紀の声をさえぎったのは、あたしの声。

「 そんなわけない。ありえない。
でしょ? 」

冗談めかして言ったつもりなのに、

亜紀は真剣な顔で、

「 ごめん。そうだよね。
朋莉のことは、朋莉が決めるよね?
がんばりなさい! 」

なんて、言い始めた。

本当、最後まで 人のことばっか。

「 あたしだって、もう子どもじゃない
のよ。お母さん? 」

「 あら、いつの間に
こんないっちょまえなことを
言うようになったのかしら? 」

「 100年前からですっ 」

「 100年前は、生まれてませんっ‼︎ 」

「 本当だ〜 」

「 あはははっ 」

今、

亜紀の笑顔を見て

決めた。

しあわせは、

自分から仕掛けないと、始まんない。

だから。

「 いっちょ、やりますか‼︎ 」

「 何を? 」

「 告白っ‼︎‼︎‼︎ 」