「 ああ。あいつらに、俺のスーパーシュートを見せつけてやるんだ‼︎ 」

そう言って、廊下に走って行った。

………。

「 ハアーー…… 」

「 おっと。朋莉がでぇっかいため息 ついてるっ 」

「 亜紀……。ちょっと、そっとしといてよ 」

広田 亜紀。

小学校からの友達で、

あたしの一番の理解者。

「 そういうわけには いきませんっ。
どーせ、また、高井のことで悩んで るんでしょ 」

「 ちっ、違うしっ! 」

「 またまたぁ。
知ってるよ? さっき、朋莉が高井に
友達 って、言われてたの。
朋莉は、好きなのにね? 」

くそっ。

聞かれてたか。

「 ………で? 」

「 へっ? 」

「 で⁉︎ 」

なになに、急に。

「 や、で? って言われても、
何のことか さっぱり…… 」

すると、亜紀が怒り始める。

「 もー! にぶいなぁ‼︎
バレンタインのことにきまってんでし ょうがっ 」

あ。

そっか。明後日は バレンタインだ。

「 どーすんの? 」

「 ……何が? 」

さっきまで、あんなに怒っていた亜紀が

とたんに ニヤつく。

「 高井にあげるの?
チョ・コ・レ・エ・ト ‼︎ 」

「 なっ⁉︎ 」