「 5組、ただいま〜 」

何だろう。
この虚しさは。

さっき、元気よく、5組を飛び出したのに。

ここは、新2年5組。

別名、旧1年5組。

つまり、あたしは また この教室にお世話になるわけだ。
……別に、イヤじゃないけどさ。


月架と離れたし。

他に仲良い人が、クラスに一人でも
いてくれたら、幸い。


悲しみと虚しさを紛らわすために、
もう一度 名簿を見てみる。


あれ、

もしかして……


「 伊緒ちゃんっ⁉︎ 」
「 詩音っ‼︎ 」


肩につく程度のキレイな黒髪と、
血色の良いおでこが印象的な 詩音。

小学校のときから仲が良くて、よく一緒に遊んだっけ。