「 はい。それでは、さようなら! 」


元 1年5組の担任 花平先生が、よく通る声で 合図を送る。

各教室の外に貼られている、新しいクラスの名簿を見に、
新2年生が一気に走りぬけて行く。


たくさんの人に押されながら、教室の隅へ避難するあたし。


「 伊緒〜。早く見に行こっ。同じクラスだと良いね! 」


あどけない笑顔で、あたしを迎えに来た 月架。

「 そうだね‼︎ 」

淡い期待を抱きながら、教室の扉の前に立つ。

この扉は、きっと未来へつながる扉だ。

バカなことを思いながら、扉に手をかけて…
「「 5組!さようならっ‼︎ 」」
ふたりで、勢いよく5組を出た。 ーーー