少し時間が経った。
真美の病室に帰り、名前をどうしようかと、二人で話し合う。

春に生まれたから「春樹」とか、たくましく育ってほしいということから「拓磨」など、色々話し合った結果、「優」になった。

誰にも優しく接して、皆から慕われる。そんな願いを込めた名前だ。

これからよろしくな。と、優に話しかけた。

寝ていたが、少し微笑んでくれた気がした。


優しい風と花びらが窓から吹き込むこの瞬間。やわらかな風が私達の背中を押し、新しい物語の1ページに立たせた。