鋭い風が肌を刺し、冷たい地面に体温が流
れていく。
町を明るく染めていた木も少し寂しくなり、
白く染まるだろうと思っていた景色も、何も
変わらない。
あぁ冬だ。と、実感したところで寒さは消え
ず、部屋の中にピッ!と、機械音が響く。
「サンタさんからのプレゼント早く来ないか
な…」
真美がさっきから時計を見ている。
「何でだろう。」
そんな疑問を覚えることがないほど、今日は自分も張り切っている。
先月に入籍をした僕たちのもとに、クリスマスである今日1997年12月25日。
サンタからプレゼントが届くからだ。
プレゼントの中身は、真美が前から欲しがっていた犬だ。
もちろん私も犬は好きなほうだ。
「早く来ないかな~」
なんでやねん!
昨日やっていたテレビで大阪出身の芸人が漫才中声を張って言っていたのを思いだし、真似してみる。
「何回目やねん!」
関西圏の人々の怒りを買うイントネーションで突っ込んでみる。
「えぇ?はいはい。おいでやす~。」
真美はノリ良く返してくれた。
なんで京都?と思ったが真美だから仕方がない、と流した。
ピンポーン
「あ!きた!」
色々考えてるうちに時間が経ち、どうやらペットショップ宅配がきたのだろう。
フローリングを鳴らし、急いで玄関に向かう真美の後ろ姿を見ながら、ずいぶん現実的で目立ちたがり屋のサンタだなと、私はにやけていた。
手続きはもう済ませていたが、
5分ほどたったのだろうか、犬用の持ち運べるカゴのようなものを担いで真美が満面の笑みで戻ってきた。
ワンワン!ワン!!
四本足で心細そうに立っているそれは白いふわふわとした毛でおおわれていて、とてもかわいかった。
名前はハナ ポメラニアンの女の子だ。
真美がどうしてもこの名前がいいと言ったからつけた。
これから生まれてくる子供のいい遊び相手になってくれよ。
と、まだなれていない風景にキョロキョロと辺りを見回すハナに心の中で呟いた。
カワイィィ‼
怯えるハナを満面の笑みで抱き抱える真美。
ハナが私に助けを求めたような気が少しだけした。
れていく。
町を明るく染めていた木も少し寂しくなり、
白く染まるだろうと思っていた景色も、何も
変わらない。
あぁ冬だ。と、実感したところで寒さは消え
ず、部屋の中にピッ!と、機械音が響く。
「サンタさんからのプレゼント早く来ないか
な…」
真美がさっきから時計を見ている。
「何でだろう。」
そんな疑問を覚えることがないほど、今日は自分も張り切っている。
先月に入籍をした僕たちのもとに、クリスマスである今日1997年12月25日。
サンタからプレゼントが届くからだ。
プレゼントの中身は、真美が前から欲しがっていた犬だ。
もちろん私も犬は好きなほうだ。
「早く来ないかな~」
なんでやねん!
昨日やっていたテレビで大阪出身の芸人が漫才中声を張って言っていたのを思いだし、真似してみる。
「何回目やねん!」
関西圏の人々の怒りを買うイントネーションで突っ込んでみる。
「えぇ?はいはい。おいでやす~。」
真美はノリ良く返してくれた。
なんで京都?と思ったが真美だから仕方がない、と流した。
ピンポーン
「あ!きた!」
色々考えてるうちに時間が経ち、どうやらペットショップ宅配がきたのだろう。
フローリングを鳴らし、急いで玄関に向かう真美の後ろ姿を見ながら、ずいぶん現実的で目立ちたがり屋のサンタだなと、私はにやけていた。
手続きはもう済ませていたが、
5分ほどたったのだろうか、犬用の持ち運べるカゴのようなものを担いで真美が満面の笑みで戻ってきた。
ワンワン!ワン!!
四本足で心細そうに立っているそれは白いふわふわとした毛でおおわれていて、とてもかわいかった。
名前はハナ ポメラニアンの女の子だ。
真美がどうしてもこの名前がいいと言ったからつけた。
これから生まれてくる子供のいい遊び相手になってくれよ。
と、まだなれていない風景にキョロキョロと辺りを見回すハナに心の中で呟いた。
カワイィィ‼
怯えるハナを満面の笑みで抱き抱える真美。
ハナが私に助けを求めたような気が少しだけした。