カバンから携帯小説を取り出して、読みながらいつもの道を歩く。
…周りにまだ人はいない。
私がいつも、早めに学校に行ってるから。
みんなと同じ時間帯に行きたくない。
…ましてや、あの女子たちと時間がかぶったら最悪。

「ハァ…」

嫌なことを考えちゃったな。
小説を閉じて、カバンに入れる。
…なんだか読む気が失せてしまったから。

私は前を向いてまっすぐ歩き出した