放課後になると、少女は一人でさっさと帰って行った。
俺もそのの後を追って帰る。
…他の生徒は面倒くさいから適当に巻いた。
なんでこんな俺に寄り付く人がいるのか謎。

…どうやら、帰り道は同じ方向のようだ。
俺は少し、嬉しかった。
でも少女は迷惑そうに眉間にしわを寄せて話しかけてきた。
…そんなに俺と関わりたくないのか。
そう思って、聞いてみた。

「もう、なんでもいいでしょ。面倒くさいな。関わらないでって言わなかったっけ?」

…見るからに不機嫌だ。
でも、嫌いになる事はなかった。
それは少女の目がどこか寂しげだったからかもしれない。

無理だと伝えたら、勝手にすれば。とだけ言い残して走って行ってしまった。
目がいい俺は、どれが少女の家なのか見る事ができた。
…後で訪ねてみようかな。もっと、知りたいし。
俺はそう心に決めて、家に帰った。