この手はもう、届かないけれど...


その日の授業は、集中して受けることができなかった。
なんでか分からないけれど、
すごく混乱していたから。
あいつに言われた言葉が、ずっと頭の中をグルグル回っていたから。

…友達なんて、いらない。
人となんて、関わりたくないし話したくもない。

その自分の考えが、崩れそうで怖かった。
自分の弱いところが見えてしまいそうで、怖かった。

私は一日中、見えない恐怖に怯えていた。
そのお陰で、いつもより早く学校が終わったように感じたけれど…
私の胸は、モヤモヤしているままだ。