彼女はやはり不思議だ。

もっと彼女が知りたいのに、これ以上の言葉が出てこない。

「...あなたみたいな人でも、あんなこと考えるのね。

私、あなたに興味があるわ。」

初めて彼女から話し出した。

それも、俺が彼女に感じているのと同じようなことを、彼女も考えていた。

「俺も。」

それだけ答えると、予鈴が鳴った。

「それじゃ。」

そう言うと、

「明日もここにいるわ。」

彼女は俺の背中に向かってそう言った。

俺は返事もせずに、戸を閉めた。