これが俺の生きる意味

「面倒になった。

偽りの俺でしかいられなくなった俺に。」

いつもの俺なら、適当に流しただろう。

それなのに、どうしてしまったのだろう。

彼女は、動じることがなかった。

「偽りのあなたなんて存在しないでしょう?」

その言葉には、驚いた。

「いや、偽りなんだよ、全部。

お前に俺の何がわかる?

いい子でいるけど、心ん中では微塵もそう思ってないんだそ?」

それでも彼女は表情を変えない。

「いい子でいようと思ったあなたもあなたでしょう?

本当は嫌でも、そうしてしまうのもあなたでしょう?

あなたを動かしているのはあなた以外の何者でもないのよ。

だから、それも含めてあなたなのよ。」

俺は、言葉を失った。