なんて思ってたらみんなして私の方を見ながらニヤニヤしてる。
「小鳥遊って顔に出やすいタイプだよな」
泰司に言われてまた顔を両手で隠す。
そしたらみんなして笑うんだ。
「ひーどーいー」
俯き加減で言ったあと、ポンッと頭に何か温かいものが乗っかった。
「拓ちゃんって呼ぶなって言っただろ、ったく。女子2人も久しぶりだな。今日はご苦労!」
聞き間違うはずのない先生の声。
私の髪をくしゃくしゃってしながら笑うんだ。
黒いTシャツに青いジャージズボンの先生がこんなに近くにいる。
私の心臓…今大変なことになってるよ。
「小鳥遊、顔赤いぞ。大丈夫か?」
なんにも知らない先生は、左手を私の頭に置いたまま、顔を覗き込んできた。
ち、近い……近すぎるよ先生!
助けを求めてみんなの方を見るけど、相変わらずニヤニヤしてて助けてくれそうにない。
「せ、先生。髪がぐちゃぐちゃになっちゃいます…」
なんとか言葉を絞り出して先生に伝える。
先生は「そっか」と言って手を退かしてくれた。


