「いってぇー!」
「私だって痛いわよ!」
たぶん美紅の声が一番大きいって、心の中で思ったのは内緒。
「でもなんで告ることになったわけ?」
泰司の言葉にみんなが頷く。
「なんでって言うか…私も告る気なんて全然なかったんだよ?なのに、先生が優しくなんてするから……」
口にすると泣きそうになる。
最初から相手にされないって思ってたんだからま気持ちを伝えられただけでもよかったって思えばいいのに、心はなんて正直なんだろう……。
さっきからずっと、胸が痛いんだ。
「泣いちゃえばいいじゃん」
声の主は一橋くんだった。
「まぁ、そんな我慢して辛そうな顔してたって先生だって迷惑だろうし」
「ちょっと!そんな言い方しなくてもいいでしょ!!」
間宮くんの言葉に美紅が言い返した。
確かに迷惑だと思う。
勝手に好きになって、勝手に告って、勝手にヘコんで。
一橋くんと間宮くんの言う通りだ。


