金崎先生の机は窓側の端っこ。
夕方になると一番眩しいところだ。
パソコンのコードとか、床に落ちている物に気をつけながら、先生の机まで行く。
先生の机の上にも色んな物が置いてあった。
「先生の机汚いですね…」
私が言うと「しょうがないの!」って言いながら、先生はカバンから財布を取り出す。
あれ…?
チラッと見えたカバンの中から、見覚えのある色が見えた。
「先生、それ…」
先生が閉めようとしていたカバンの中を指差して言う。
「ん?どれ?」
「その、ノート?」
「あ、これ?」
先生が取り出したのは水色のノート。
見間違えるわけない。
だってそれは、私が3年生の時に、先生の授業で使ってたノートだもん。
家の中を探しても見つかるわけがないはずだ。
でもなんで先生が持ってるの?!
「何、これお前の?」
「はい」
「ちゃんと名前書いとけよ。誰のかわかんなかったから、使っちゃおうと思ってたのに」
先生は頭にポンッとノートを乗っけてきた。
「これ、どこにあったんですか…?」


