「買ってやるって言ったのは先生なんですからちゃんと実行してください。男らしくないですよ」
ついつい可愛くないこと言ってる私って本当に子供だと思う。
でも私の隣で先生も子供みたいにいじけてる。
そんな先生も可愛い。
先生のこと、好きでいっぱいだよ。
「あ、財布。職員室に置きっぱなしだ。取ってくるからちょっと待ってて」
「私も行きますよ。久しぶりに見てみたいし」
先を行く先生を追っかけて走る。
「こら、廊下を走るな!」
「先生もね!」
折角一緒にいられるんだから、たったちょっとの時間でも先生と一緒にいたい。
こうやって笑ってることがすっごく幸せなんだ。
階段を上ってすぐにある職員室の前まで、私と先生は走った。
着いた時には2人とも息切れしてたけど。
職員室のドアを開けて、先生が中に入っていく。
その後ろから私も入った。
「誰もいないんですね」
「そりゃ土曜日だしな。顧問の先生方はまだ部活中だろうし」
室内を見渡すと、先生たちの机の上には教科書やプリントが山積みになってる。


