先生はそう言うと「集合!」って練習していた後輩たちを呼んだ。
「今日は卒業生たちが来てくれたぞ。3年は知ってると思うが、1・2年はしっかり相手してもらえよ」
先生が言ったあと、「よろしくお願いします!」と大きな声で挨拶された。
さっきまでの高校生気分が一気に吹っ飛んだ感じ。
視聴覚室の中は卓球台6台を並べるので限界。
普段だったら横一列に5台で済むはず。
今日は私たちが来たから3台ずつ前後に並べられていた。
「男子4人は2・3年の相手してやって。更科は1年をよろしく!」
みんな言われた通りに各台に着いていく。
私1人だけポツンと残されてしまった。
---キィー
音を立てて扉が開く。
用事を終えたらしい喜多川先生が入ってきた。
金崎先生は「さてと」と言いながら私の方を見る。
またあの可愛い笑顔。
「よし、買い出し行くぞ小鳥遊!」
そう言うと先生は私の腕を掴んだ。
「喜多川先生!僕たち買い出し行ってきます!」
「ああ、お願いします」
喜多川先生の返事のあと、先生は私の腕を掴んだまま廊下まで連れ出した。


