キュッキュッダムダムダム。
懐かしい音が耳に入り胸がギューッてなる。
私は今体育館の前にいる。
やっぱり体育館に入るのは勇気がいるな...。
「蘭?」
耳元に響く聞きなれた声に振り向くと、秋が立っていた。
「秋!」
久しぶりに会ったみたいな気持ち。
「何やってんのー?」
「あの、バスケ部に仮入部したいなって思って。」
「おー!そっか、ちょうど俺も体育館に行くところだったから、一緒に入ろうぜ。」
「うん!」
秋も一緒に入ってくれるなんて、すごく心強いよ。
私はさっきまでのギューッってのがスカーって感じになって、体育館に入っていった。
「あ!望月先輩ーちわーっす」
「おー秋おせーって隣の子もしかしてマネージャー希望とか?」
「ああ、仮入部してくれることになった。」
「えっと、1年4組の神崎蘭です。」
「おーーよろしくなー!」
「もしかして、経験者だったり?」
「あっ小中バスケやってました。」
「なら抜擢だな!」
よーくみるとイケメンさんが沢山いるだな。
そういえば、クラスで噂してた気がする。
バスケ部はイケメンだらけとか。
「こんちにはー、ってあれ?新しいマネージャーさん?」
「美南先輩ーこんちわーーす。」
すごい綺麗な人。
スタイルも凄くいいし肌綺麗だしモデルさんとか!?
「あっ、仮入部させて頂きます。神崎蘭です。よろしくお願いしますっ」
「私は2年2組美南葵。マネージャーは私しかいなくて凄く大変だったの。凄く嬉しいわ、よろしくね。バスケ部は皆いい人だからなにか困ったこととかあったら何でも言ってね」
「はい!お言葉に甘えて」
めっちゃ美人の上に凄く優しい...
惚れてしまうよー。
「葉月パース!」
「は!?ちょっ」
ん!?え!?ボールがっイヤーーー当たる!
恐る恐る目を開けてみると、あれ、当たってない。
「大丈夫?当たってない?」
「あ、うん。全然大丈夫です。」
助けてくれたんだ。
ていうかすごいイケメンだなー。
背も高い。2年生かな?3年生はもう部活引退らしいし。
「あっ、神崎さんだったよね。俺1年3組の日向葉月。よろしくね」
1年生だったの!?しかも隣のクラス。
「はい。よろしくお願いします。」
「ははっなんで敬語なの?同い年だよー!」
「そうだったね。よろしくだね。」
「うん。よろしくね!」
「葉月ーなにラブラブしてんのー。」
あ!今朝の女の子たちに囲まれていた人だ。バスケ部だったんだ。
「女子に興味無いみたいな振りしてるくせにやるじゃーん。」
「そうゆーんじゃないから。月希わざと投げただろ。」
「え、なんのことー?」
「あの!名前とクラス教えていただいても宜しいでしょうか!」
「あ、もしかして、俺のファン?」
私がこの人のファン!?なわけないしー!私は秋一筋だし!
「はっ、何でそうなるの」
「はは、冗談冗談。俺強気の子結構好きかも?」
はー何この人。モテるオーラ満載だし。
「からかわないでください。 」
「はいはいごめんなさい。俺は1年7組の橘月希でーす。」
「んーなんかよくわからない人ですね。」
「君面白いねー。初対面なのによくわからないって、わかってたら逆に怖いわー」
「別にそういうわけじゃないですし!」
はーもーなんなのよーーー。
ほんとわかんないよー。
少しでもかっこいいって思った私を殴ってやりたい。
「月希。ちょっと失礼なんじゃない?」
「失礼?何がー?」
「おいお前らー何してんだー練習しろー。」
秋!ちょっと自意識入っちゃうけど、助けてくれた!
「蘭ちゃん、あの、今から試合やるんだけど、審判できる?」
不覚にも美南先輩にドキッとしてしまった。
「はい!もちろんです。」
審判とか久しぶりだし。何より秋のバスケが見れる。
「お願いしまーす」
体育館に響き渡る大きな声と笛の音で試合
スタートだ。
「秋!」
パコンッ
「ナイシュー!」
すごい秋。かっこいい。
誰よりも一番キラキラして見える!
パコンッ
「日向ナイシュー」
日向君、おとなしい雰囲気だったけど、試合にたったらすごく堂々としてるっていうかすごい存在感が出てる。
かっこいいとか思っちゃダメかな。