約30分後。



お菓子をつまみながら、女の子たちの恋愛の話を聞いてた。


…全く頭に入らない。


お菓子も飲み物も、口をつける気もしない。


だって後ろでは……。



「透、はいお酒!」

「飲まねーってば」

「えー?あたしが作ったお茶割り飲めないのー?」


相変わらず七海ちゃんは水原くんの膝で寝てるし、ひなのちゃんは水原くんの腕に自分の腕を絡めてお酒を飲まそうとしてる。



割り込みたい。

でも………


せっかくいい彼女に思われたのが、台無しになる。



「透、チューしよー」


!?

思わず振り返って凝視する。


ひなのちゃんが水原くんをトロンとした目で見ている。



「は?しないよ!」

「中学の時みたいにしようよー」



えっ?

水原くん、キスしたことないって……。



「したことないだろ!」

「そうだっけ?まあいいじゃん」



一瞬ホッとする。

それも束の間。



ひなのちゃんが水原くんに顔を近づけた。



あ……………!