ピンポーン。



あ、水原くんだ!




わたしは上着を羽織って、バッグを掴んで急いで玄関へ向かった。


ガチャッ。



「水原くん!」


「………えっ!?」




そこにいるのは確かに水原くん。


でも、なぜかわたしを見てびっくりしている。




「水原くん、どうかしたの?」

「紗奈、その格好……」


ああ、いつもよりオシャレしてみたから。



「どうかな?」


かわいいって、言ってくれるかな…?



「………………」



あれ?


水原くんは黙った。



…………変だった?




「み、水原くん、変…かな……?」


ちょっと泣きそうになりながら言うと、水原くんは慌てて口を開いた。



「え!?ちがう!変じゃない!変じゃないけど………」



変じゃないけど………?

なに?



「…その格好で、行くの?」

「え?うん」

「そっか。…じゃ、行こ」



…あれ?

水原くん、また不機嫌そうに見える。


なんで………?




わたしは気になりながらも、水原くんについて行った。