校門をくぐると、なにやらいつもより騒がしい。



「...うっさいわね。散ってくれないかしら。」



こ、怖い...!そんなにあの女子たちを睨まなくても...



進むにつれて、声がどんどん大きくなってくる。私も顔をしかめて、奈々ちゃんは耳をふさいでいる。



そして、下駄箱にいるときにこんな会話が聞こえた。



「ねぇねぇ、転校生の男の子ってカッコいいかなー?」



「カッコよかったら狙っちゃおー!」



「転校生が来るみたいだねー」



「...そうね。」



ブスッとしながら奈々ちゃんが言う。



うー...機嫌直してー



教室に入っても、転校生が来る、という話題でもちきりだった。



私と奈々ちゃんは席について話し始めた。



私が一番前の右側、奈々ちゃんが2列目の右側に席がある。



つ、ま、り!!!私と奈々ちゃんは席が近いのですっ!!!



奈々ちゃん以外の子とはあまり話さないから、席替えで近くになったときは嬉しかったんだよ~!



だけど、今日席替えするから奈々ちゃんとはおさらばなんだけどね...