帰り道。私と奈々ちゃんは、並んで帰っていた。



「…あのね、奈々ちゃん。ちょっと相談したいことがあって。」



「うん、何?」



奈々ちゃんが、首をかしげる。



「何かね、最近、体がおかしいの。胸が苦しくなったり、モヤっとしたり。何でだろ?」



奈々ちゃんは、「うーん」とうなって、手を顎に置く仕草をした。



「それって、もしかして、特定の男を見たらなる?」



そう言われて、真っ先に思い浮かんだのは、爽くんの姿。確かに、爽くんを見たときだけなる。



私は、頷いた。