「……いよいよだね、朱里」


「うん……。
苺鈴、大丈夫?」


「へっ、平気だよっ。
朱里こそ、大丈夫?」


「うん…っ」


『大丈夫』とは言ったけど、本当は大丈夫なんかじゃない。


むしろ、不安と緊張で、胸が押し潰されそうだ。


受かってるよね…… 私達。


ドキドキしながら、掲示板の前までやって来た。


すでに結果が貼り出されていて、周りにいる沢山の学生達は、ガヤガヤと騒ぎながら、掲示板をじいっと見つめていた。


笑顔を見せる人、泣いている人、無表情の人。


色んな表情が見え隠れしていた。


私と朱里は、意を決して、人混みをかき分けて、掲示板が見える場所まで来た。


掲示板を見上げた。


朱里も、緊張したように、真剣な眼差しで掲示板を見つめていた。



「朱里、どうだった?」


人混みを抜けてから朱里にそう聞くと、朱里は一瞬だけ肩をピクリと動かした。


「あぁ、えっとね……」


やたらとモジモジしている朱里を見て、ハッとした。


まさか朱里……落ちたの?


あんなに勉強してたのに...