私は料理が上手くない。


ハンバーグも失敗してばかりだ。


「花菜違うから、何でそんなに下手なの。健也は上手いのに。」


わぁ、丸めたハンバーグが床に落ちた。


「僕がやるから、花菜は洗濯物しまいなよ。」


航平君はハンバーグ作れるの?


「母さん仕事してたから、夕食を自分で作る事もあったよ。」


母さんと航平君が楽しそうに夕食作りをしてるのを眺めていた。


本当の親子みたいだな。


「ただいま。」


菜緒が帰ってきた。


「今日ハンバーグなんだ。美味しそう。」


良かった、菜緒に二人は見えていない。


「おねちゃん、何ぶつぶつ一人言言ってるの。」


航平君笑ってるし。


「菜緒宿題やらないとだめだよ。」


お母さんみたいにうるさいんだから、そう言って部屋に入っていく。


可愛い妹さんだね。


いえいえ可愛くありません。


本当に生意気になってきた。


「花菜が頑張ってる事お母さんは分かってるから。」


もう泣かせないでよ。


母さんがありがとうと言った。


母さんまだ消えたりしないで。


お願いだから、もう少し私の側にいてね。


母さん泣かないでよ。


航平君も泣き虫だね。