拓真君のお母さんを呼んで来る言って、隆志さんが消えた。

「花菜、ごめんね。僕には今力がないんだ。」


ううん、こうして会いに来てくれただけで嬉しいから。


拓真君もサッカーが中々上手い。


学園長の息子さんもサッカーをやってたみたいだし。


ここにいるみんなはサッカー好きな幽霊たちばかりで。


みんなサッカーが大好きで、だけど命を奪われサッカーが出来なくなってしまった。


あ、隆志さんが戻って来た。


この人が拓真君のお母さん。


「ここは何処なの?」


気がついたらここにいたと言う。


目の前に拓真君がいた。


お母さんに拓真君が見えるみたい。


良かったね、拓真君。


お母さんがごめんなさいと何度も謝る。


拓真君は大丈夫だと言った。


「お母さんが幸せならそれでいいんだ。」


拓真君もこれできっと成仏出来るね。


良かったね、拓真君。


「そろそろ行かなきゃ。」


航平君も帰っていくんだね。


「短い時間だったけど、花菜に会えて嬉しいかったよ。」


うん、私も。


又、会えるかな?


どうだろうね。


隆志さんまだいたんだ。


花菜酷いよと泣き真似をする。


みんなが消えて行き、運動場にはサッカーボールだけが残っていた。