奈緒と健也が学校へ行った後、隆志さんが又目の前に現れた。


もう、本当にしんどい、微熱もあるし、学校休んで寝ていようかと思う。


「花菜に取り付いてる霊を呼び出すから。」


今から、ですか。


こうなれば学校を休むしかない。


隆志さんに学校を休む事を伝えると、私に向かって叫ぶ。


「おい、いつまで花菜に取り付いてるんだ。出て来いよ。」


急に胸が苦しくなる。


怖くて屈むと、私の前に女の人が現れた。


まだ、30代くらいのきれいな人。


「花菜さん、ごめんなさい。」


やな事に、又、見えてしまった。


もう、本当にやだ。


「あなたは誰なのですか。」


彼女の名前は木村葉瑠さん、29才。


二年前、ご主人と子供と三人て川で遊んでいたら、川に流された子供を助けて、自分が死んでしまったらしい。


子供が生きてる事が嬉しかった。


でも、ご主人は直ぐに再婚して、子供も生まれたと言う。


自分の子供が新しいお母さんに虐待されてないか、心配でこの世に現れた。


私に取り付いた理由は別にないらしく、優しい子だと感じたから。


隆志さんが現れなかったら、取り付いてる事にも気づかなかった。


お母さん、ありがとう。


お母さんが気づいてくれたんだね。