次の日早起きしてお弁当を作り、奈緒と健也を連れてサッカーの試合を見に行く事にした。


父さんはまだ寝ているので起こさずに出かけるつもり。


母さんと悠平君はもう出かけていない。


多分二人で悠平君の家族を迎えに行ったと思う。


航平君の姿が悠平君の両親に見えなくても、きっと何かを感じてくれるはずだから。


母さんがついてるから大丈夫だ。


母さんが私の前に現れたのは、もしかしたら航平君の願いを叶えてあげたかったのかも知れない。


成仏出来ない二人の強い思い。


きっと今日叶うはず。


母さん心配ばかりさせてごめんなさい。


母さんを頼ってばかりでごめんなさい。


今日母さんから卒業するよ。


健也と奈緒と協力しあって生きてく。


もう一人で頑張るのは止める。


父さんにも泣き言を言うから。


父さんにも助けて欲しいとお願いするよ。


「おねちゃん、もう泣かないでよ。菜緒も五年生だから何でもお手伝いする。」


「二人とも早くしないと試合が始まっちゃうよ。」


お弁当作り過ぎたかな。


かなり重い。


「父さんが車出すから乗って。」


え、父さん起きてたの?


「理由は分からないけど、みんなでサッカーの試合を応援に行くんだろ。」


「母さんが夢に出てきたの。」


あぁ、訳の分からないこと言ってたけどな、そう言って父さんが笑った。


母さんありがとう。


久しぶりの家族みんなのお出かけに菜緒が大喜びしてる。


航平君ありがとう。


家族みんなで応援に行くよ。