俺が高1時だった。


俺は学校終わりの帰り道、花屋へ行った。


その日は母親の誕生日だったからこの日にと思い貯めていたお小遣いを握りしめて花屋へ走る。



母親の好きなバラの花を3本買った。



母親の喜ぶ顔を見るのが楽しみで急いで店を出ると、聞き覚えのある声がした。


「詩音!こっちにおいで」

「パパ〜だっこ〜!」



足元に来た自分の息子であろう子供を肩車する男。

その隣には奥さんであろう若い女の人。





俺は全身の力が抜けた。





「と…うさん?」






夢なのかと疑うくらい信じられない光景だった。





父さんには別の家族がいたんだ。