「あら、いたの千佳」



奥の部屋から出てきた母親は煙草を咥え裸で、あたしを見下ろす。





汚い。せめて下着くらい着ろ。






「おっ。これが美沙の小娘か。なかなかじゃないか?」






母親の後ろから薄汚いオヤジの声が聞こえた。
するとそのオヤジはあたしの隣に座り、舐め回すようにあたしを見る。







脂ぎったようにテカる顔。
荒い鼻息。臭い息。




全てが汚い。




「顔はあたし似で綺麗でしょお?」






自慢そうに言う。






なにが、あたし似だよ。一緒にすんな。





「確かになあ〜。お嬢ちゃん、処女かいな?」






その一言であたしの苛立ちと気持ち悪さが爆発した。





「帰ってください!!」






そう言うとあたしは自分の部屋に向かった。