急に悠は立ち上がり、何かを決心したような真剣な顔をあたしに向ける。
あたしは何も言わずその顔を見上げる。
もう、あたしと関わりたくないとかそんな事かなあ…
悪い言葉が頭をよぎる。
悠は一つ息を置き、ゆっくりと口を開く。
「千佳、俺んとこ来ないか?」
「……え?」
そんなこと言われると思っていなかった。
「俺のとこに来てずっと俺の隣にいれば良い。俺は千佳が必要だから」
本当に…?
あたしを必要としてる人なんていないと思ってたから。
『千佳が必要』
その一言は今のあたしの心が一番求めていた言葉だったから。
答えは一つだった。
「うんっ…ずっと、ずっと悠の隣にいるよ」
あたしは悠の前では弱くなる。
いいんだよね。
そう言うとあたしは悠の腕の中に包まれて
あたしの唇に優しく悠の唇が触れた。
4月28日。
悠との時間が始まった。