真っ暗な世界で、あたしの名前を呼ぶ声がした。




聞き覚えのある声に振り返ると
冷えきったあたしの身体は暖かいものに包まれた。




「なにやってんだよお前は…」


あたしを抱きしめる腕に力が入る悠。



どうして…いるの


「悠っ」



悠の心臓の音、息遣いがひどくあたしを安心させる。


余計に涙が溢れる。


「…悠っ、ごめんっ…」


「これ以上心配かけるなよ…居なくなるなよ…」




それから、しばらく泣き続けるあたしを悠はずっと抱きしめてくれてた。




震えるあたしをさすってくれて。



ああ、この感覚


覚えてる。



ずーっと昔の事なのかな