そのままあたしは何も考えることなくただぼーっとしていた。
辺りが真っ暗になった頃、スカートの中の携帯が揺れた。
バイト先からだ。
「もしもし千佳ちゃん!?どうしたの?」
店長の少し焦った声に申し訳なさを感じる。
「すいません…今日はちょっと行けそうにないです…」
「そっかあ…。無理しないでね!そしたらまた次回から頼めるかな?」
あたしは「はい」と返事をして電話を切り、その後に入ってた居酒屋にも電話を入れた。
あたしはこのままどうすればいいんだろう。
帰る場所も、頼る人も居ない。
結局、あたしは母親が居ないと今はダメだったんだ。
そんな母親にも居なくなる事を望まれた。
悔しくて、悲しくて涙が止まらなかった。
真っ暗な世界にあたし1人だけがいるような気分。
あたしの居場所なんて…どこにもない。
結局あたしって無力で弱かったんだ…
「千佳!」
