髪が乱れ、焦点の合わない目をしながらフラフラと立つ母親の姿があった。


「お母さんおか…」




そう言いかけてる時にあたしの頬に鋭い痛みが走る。



あたしはその痛みの衝撃で床に倒れる。






あたし…母親にぶたれた…?




痛みが酷い唇を触ると、血が出ていた。





突然の事であたしは呆然とした。



すると母親があたしを見下ろすように仁王立ちしていた。



「あんらのせいれ…あたしはめちゃくちゃなんらよぉ!目障りなんらよ!死んでしまえ!」



お酒のせいで呂律の回っていない言葉なのに、あたしの胸にはその言葉が鋭く刺さった。





ああ…これが母親の本音なんだ。






きっとこれが望みなんだ。







そう言うと母親はあたしを蹴り出した。



「おまえなんえ!おまえなんれえええ!!」




長い髪を振り乱し、この細いカラダにこんな力があるのかというくらいに蹴り続ける。



「痛いっ…やめてお母さん!」



こんな言葉、母親には通用しなかった。