「ねえ、あんたどうして一人暮らししてるの?」


すると彼はベットから降りて、あたしの横に腰をつけた。


「俺、小6の時までこの街にいてさ、親の都合で東京行ったんだけど親が離婚してさ。どっちにも付いて行く気ないから金のある父親に頼み込んで俺だけ1人でまたこの街に戻ってきたんだよ。まあ母親は元々俺のこと連れて行く気なかったみてえだったし」



「そう…だったんだ」





彼のそんな話を聞くと不思議と親近感が湧いた。



あたしも、母親のことは軽蔑していたから。



「それと千佳、あんたって呼ぶのやめろ。せめて原田か悠にしてくれ」



突然あたしの名前を呼び、そんな選択を迫る。

まあでも、ご飯まで食べさせてもらったし…

「…じゃあ、悠で…」



戸惑いながら名前を呼ぶあたしをまた悠は、からかう様に笑う。


でも何だか笑っているのに

悠は不意にすごい悲しそうな顔をする。