はじめて来た自分の家以外の他人の家。
あたしは少しドキドキしていた。
それにいつ襲われるか分からないから警戒…
「そんな何もしねーからお前なんかに」
何こういう時だけ察してんのよ!!!
「わ、わかってますけど!」
「ハイハイ」
部屋をキョロキョロと見ていると
テレビの横にぽつんと置いてあるヒヨコの置物に目がいった。
「なにこれ。かわいい〜」
独り言のように呟いたつもりなのに、キッチンにいた彼にも聞こえていたらしく
「空港の店でそいつが目に入ってよ、そいつが俺に買ってって言うから買ったんだよね」
見かけによらず、こういうの好きなのか。
ひよこが喋るわけないのに。
そういえばあたし、彼の姿をちゃんと見ていなかったけど、今じっくり見ると容姿は整っていると思う。
かなりの高さであろう長身にスラッとした体型で整った顔つきに綺麗な金髪。
まあ、ちょっとホストみたいな感じかな?
高校生にしては少し大人びていた。
そんな事を考えながら彼を見ているとキッチンからこちらに向かい出し、料理したものを持ってリビングの小さなテーブルに置いた。
置かれた料理はオムライスだった。
オムライスの卵の上には、さっき話していたヒヨコらしき絵がケチャップで書いてあるけど、下手くそで得体の知れない生物と化していた。
「はい。召し上がれ腹ペコちゃん」
そう言うとベットに腰掛ける彼。
あたしはあまりの空腹に負けてしまい
食べる事にした。
