「着いたぞ」



そう言われるままにあたしは彼について行く。



そして彼がドアを開けてあたしが先に玄関に入れられた。




「…おじゃまします」


その部屋には誰かがいる気配はなかった。



「あれ、家族みんな出かけてるの?」



「あ〜、俺一人暮らしだから」



彼はそれだけを答えるとあたしの背中を手で押し、早く入れと合図をする。


目の前には

真っ白な部屋にテレビとベットとキッチンとテーブル。


必要最低限の物だけがあるって感じの至ってシンプルな部屋。




まさに一人暮らしって感じの部屋だけど。




まじまじと部屋を見つめていると彼はいつの間にかキッチンへに立っていた。



「適当に座っててよ」



そう言い料理をし出した彼。




あたしはベットによしかかって座っていた。





こんなとこで落ち着けるバカなんてどこにいるか。