しばらくするとあの2人が立ち上がり、レジの所へ向かうのが目に入った。



やっと気を抜いて仕事が出来る。



ホッとしたあたしは時計を確認した。




7時15分




今日は早上がりの日だったからいつもなら9時半までのバイトが、今日は8時までだった。




時計を見て更にやる気を出したあたしは仕事に集中することにした。





家族連れのお客さんの注文が書かれた伝票を厨房の棚に置くと、店長が来て


「お疲れ千佳ちゃん。今日のところはもう上がっていいよ」


そう優しく言ってくれる店長の言葉に甘えて、あたしは今日のバイトを終える事にした。




更衣室へ行き、暖房で乾かしていた制服に着替える。


とりあえず、あの男がまたここに来る可能性は高い…だるい。


そんなことを考えながら
あたしは足早に店の裏から出た。



すると、看板の明かりに微かに照らされた人影が見えた。