バイト先のファミレスに着いた時、あたしはずぶ濡れだった。
バイトの前にかなりの体力を使った。
裏にある女子更衣室に行くなり、設置されているドライヤーで髪を乾かす。
髪が乾くと、急いでバイトの制服に着替えて店内へ向かう。
「お待たせしました!」
「やっと来た千佳ちゃん。じゃあ早速あそこのお客さんのオーダーとってきてくれる?」
「はいっ」
まだ4時半過ぎだと言うのにかなりの席が埋まっていた。
ほとんどが学校帰りの学生。
あたしは伝票とトレイを持ち、接客に向かう。
「いらっしゃいませ。お呼びでしょうか」
営業スマイルでバイトモードに入る。
伝票に注文を書き、それを厨房の棚に置く。
やり慣れた仕事だ。
