「じゃあ紺野。今日もお疲れ様。次もよろしくな」



店長が優しくそう言うとあたしは浅めに頭を下げる。




「お疲れ様でした」




そう言ってあたしは上着を羽織って店を出る。


携帯の画面を開くと、9時52分と表示されていた。




今日も1日乗り切ったと思うと一気に疲労感があたしを襲う。




「…はあ」




明日のバイトは…ファミレスか。

歩きながら明日の確認をする。





ひどく疲れきった顔をしてるであろう、無残なあたしの姿を通り過ぎる車のライトが照らす。




何も考えないままあたしはトボトボと歩く。





さっきまでいたバイト先の居酒屋から歩いて10分ほどの所に酷くボロボロなアパートが見える。





ここが、あたしの家だ。