「ねえ原田くん!分からないことがあったら何でも私に聞いてねぇ!あっ私のことは寧々でいいからっ♪」
わざとらしい笑顔と上目遣いで話しかける。
見てるだけで吐き気だ。
でもその男は、「あぁ。」と返事をするだけで
特別食い付いた様子は見えなかった。
見かけの割には、女の子に無関心なのかな。
あたしにはそう見えた。
1限目になり、あたしはノートも取らず窓の外ばかりを見ていた。
空は黒く、嫌な予感がした。
雨がふりそうだな…なんて思いながら見つめる。
よりによって傘を持ってきていない日に雨だなんて、ついてない。
気を落としていると、机をトンと叩く音が聞こえた。
「おい」
そう声をかけられ、前を向くと
あの男がこちらを向いていた。
「…なに?」
